提灯に描く文字について

 

提灯に文字を描く時は筆で一気に書く手法や、

輪郭を縁取り、塗り筆で中を塗りつぶして文字を仕上げて描く手法があります。

 

提灯の文字は、楷書・行書・隷書・篆書・登録商標・ロゴマークなど

指定文字や見本があればその様に描きます。

 

特に指定がない場合は、江戸文字を描きます。

江戸文字は楷書を基本としている為、読みやすく、太く描くので遠くからも読みやすくなっています。

ハネ、はらい等にメリハリを利かせ、力強く見えます。

江戸文字について・・・

提灯は今では色々な用途で使用されていますが、基本的には明かりを入れること、そして人目につきやすく、目立つものであるということ。その事をふまえた上で、提灯に描く文字は、太く、読みやすく、遠くからでも良くわかるように工夫されています。

そこで、提灯に一番適した書体というのが、一般的に「江戸文字」と呼ばれる書体です。

江戸手描提灯とは・・・

16世紀の初め、室町時代文亀(ぶんき)年間(1501~1504)に初期の提灯と認められる、籠提灯(かごちょうちん)が使われていたと言われている。

室町時代の末期の天文(てんぶん)年間(1532~1555)今日の折りたたむ提灯の原型のものができたと考えられている。その後、安土桃山時代(1573~1596)には、細い割り竹を丸く輪にして骨を作り、紙を貼り覆いし、上下に自由に伸縮できる様にし、底にろうそくを立てるようになった。提灯が一般に普及したのは江戸時代(1596~1868)である。

江戸時代半ば頃から浅草近辺には多くの描き職人が仕事をしていた。明治時代の頃より、問屋制が発達し提灯製造業と提灯文字描き専門業の分業が進み、現在も東京の提灯屋は貼りあがった火袋に、家紋文字等を描き入れる事を仕事としている。

提灯に描き入れる文字は一般的に江戸文字といわれ、神社仏閣に貼る千社札の原稿を提灯屋が描いていた。千社札は枠の中に文字を入れるが、提灯は枠の線が無いので少しのびのびとした文字になる。
また、家紋は着物の紋付の入れ方と違い、白地に黒で家紋を描く。遠くからも見えやすく、線の入れ方を工夫しバランスを取り、描くのが特徴である